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≪医療従事者向け≫ 退院後ケアを視野に入れて入院時から栄養サポートを進めるには
監修:熊本リハビリテーション病院 栄養科 科⾧ 嶋津さゆり

入院・入所時からの栄養サポートの重要性

 年齢を重ねると身体のいろいろなところのメンテナンスが必要になり、入院の機会が増えますが、入院による環境の変化によって食欲が低下する患者さんをよく目にします。高齢者の場合、入院1日目から精神的に落ち込まれる方も少なくありません。また、手術後に食欲が低下する方も見受けられます。そのような方々へ速やかに対応するためには、入院後数日間は食事摂取状況の確認を慎重に行います。さらに、患者さんのことをよく理解している家族や施設の担当者の話を聞くことも重要です。食習慣や生活習慣は人により大きく違います。この情報は食事強化する際の大きな手助けになります。身体が小さくても少食とは限りませんし、身体が大きくても大食でないかもしれません。例えば、12食の習慣の方、間食はせず13食しっかり食べていた方、間食を欠かさず1日数回していた方、朝はコーヒーしか飲まない方など様々です。食習慣で、その人の生活がわかります。「食事が入らない」=「栄養補助食品(以下ONS)をすぐ使用する」のではなく、まずはしっかりと傾聴し、食べない、あるいは食べられない原因を考えてから最適な栄養補給方法を考えましょう。上記のような食習慣の方に対する食事からのアプローチ例、および最終目標を下の表にまとめました。

 

一般的な食事調整方法とは

患者さんに食欲不振があり、食事の全体量や品数を減らしてほしいなどの希望があった場合、管理栄養士はその患者さんの摂取量を確認しながら、食事量を調整する対応を行います。量を減らすと必然的にエネルギーが不足しますので補給方法を検討します。下表のように栄養強化、ONS提供など、どのように調整するかを多職種で話し合います。そして、食事観察を行いながら少しずつ食事量を増やし、最終的に食事の提供量と摂取量が共に必要栄養量に達したら目標達成です。

例えば、下記の図のようなアプローチも考えられます。最初は「食事1/2量+3食 ONS」を提供し、食事摂取量が増えたら通常へ戻していきます。ONSばかりだと途中で飽きてしまい続かない場合も多く、そのような場合こそ MCT オイルに切り替える方法を試してみるのも一つの方法です。MCT オイルを主食のごはんやお粥に加えた場合、見た目の食事量がほとんど増えないため、患者さんの食事の負担が最小限に抑えられます。

MCTオイルを使用して食事が進む原動力へつなげましょう

入院による環境の変化は患者さんにとって時にネガティブな方向への変化をもたらす場合があります。その中で患者さんは治療やリハビリを頑張り、大変ながらも少しずつできることが増えたような気持ちになります。一方で、家族としては、家で元気に過ごしていた姿が記憶にあるので、その元気な状態になって退院してくると思っています。しかし、高齢な方の場合、完全に入院前と同じ状態で自宅へ帰ってくることができるでしょうか?入院中はあらゆる医療スタッフに囲まれているので、多少の不自由さはあっても食事、運動の両方の習慣が整えられた生活をすることができています。自宅に帰ったら、今まで想定していなかった問題が出てくることも多いようです。家族から連絡をいただく質問の多くは、「退院したのは良いけれど、何を食べさせたら良いかわからない」とか「家に帰ってきたものの、あまり食べないのですが、大丈夫でしょうか?」ということです。

通常の食事にMCTオイルを上手に追加することで、エネルギー不足を補うことができます。MCTオイルは、「かける」あるいは「混ぜる」だけで済みますので、家族の食生活をほとんど変えることなく栄養補給ができます。さらに、近所のスーパーやドラッグストアなどで購入しやすいのも魅力です。病院・施設だけでなく、在宅においてもMCTオイルは患者さんの食事が進む原動力となり、エネルギー補給をサポートする強力な味方になると言えます。

※監修:熊本リハビリテーション病院 栄養科 科⾧ 嶋津さゆり

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